あたらしいはなし
短文作品『あたらしいはなし』
ここからは、新しい話です。
消せないことのあとで始める、ここからが、みんな、あたらしい、はなしです。
本当を打ち明けると、今までのぜんぶを、なかったことにしていたら、新しいかたちをみつけることが、できなくなってしまったんです。
ですから、新たなるものを願うとき、いらなかったことの、ぜんぶ、嫌いになったことの、ぜんぶ、今をさいなむ過去の、ぜんぶ、その全部、ぜんぶ前部があったことにいたします。
もう、あったことは消せないのですから。どうかその上に、これらが新たに生まれる話でありますように、と願いました。
これは新たなる、新しいはなしの話しです。
ですからこれ以降、あらかじめまっさらな、あたらしいは、なし、となるのです。
[あたらしいはなし 了]
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